早朝、ねぐらでは集団だったタンチョウも
家族単位なのか、小グループで餌場の
川にやって来た。
川岸には雪の上を歩いたタンチョウの
足跡が無数に見えます。

昨夜から降りつづいた雪は、一変して山の稜線も
木々の表情も変えてしまった。
実はこの少し前に、この杉のてっぺんに
猛禽類のノスリが止まっていたのだ。
残念ながら写せなかった。
カメラマンはそんなことをいつまでも
覚えているものである。

撮影地：滋賀県

琵琶湖の湖北地方は雪深く、まだまだ春には縁がないような寒い朝です。
湖の波間をゆっくりと泳いでいる1羽のカモ。
私は、群れていたキンクロハジロの中で離れている1羽に照準を合わせました。
静かで冷たい湖水と白い波紋を表現したくてフォーカスを
繰り返しました。しかし、この光景もあと半月もすれば見られなくなります。
カモたちは繁殖のために遠い北国へ飛んで行ってしまうからです。
そしてまた、晩秋の頃には冬鳥として戻ってくるのです。

こちらの作品は
2013年『日本の野鳥風景』カレンダー3月に掲載されています。

バサバサ、バサバサ。
すぐ目の前でコホーと響く声で鳴いた後、
オオハクチョウが羽ばたいた。
純白の世界に口元の
黄色と黒色のくちばしが目立った。

厳冬の頃、あたり一面氷の世界である。
そこに、寒さとは無関係のような２羽の
愛の語らいがあった。

コハクチョウが10羽前後群れになり、雪の積もった田んぼの中に顔を突っ込んで餌を取っていた。
顔を上げると、まるでその時流行の若い娘の顔グロを連想してしまった。

今まで、船の周りを飛び回っていた鳥が、
振り向くと流氷の上で整列して羽を
休めている。
面白いので広角レンズに切り替えて写してみた。
流氷と紺碧の海にピンクの脚がかわいい。

日暮れ時、ねぐらに帰る途中の
タンチョウを真下から写した。
体いっぱいに夕陽を浴びながら、
脚はお腹の中にしまいこんで
飛んでいる。

後ろに流れる小川のせせらぎ。
その川にキラキラと冬の日差し反射している。
冬の日だまりを感じながらシジュウカラを
前景に配置してみました。

冬の晴れ間が、厳しい寒さの合間に
顔を覗かせる。
ブルーの空に鳴きながら3羽の
タンチョウが上空に現れた。

撮影地：兵庫県

昨今の地球温暖化の影響なのか、地元の播州平野には最近1年を通じて滅多に雪が降り積もりません。
近場で雪と野鳥の撮影ができる日は、私には好都合で朝早くから起きたり、
カメラマンとしての写欲が、湧いてきたりします。
いそいそとやって来た降雪の田畑は、真っ白の世界です
農道の電線に群れで止まっていたムクドリが、田んぼに何度か降り立ち盛んに餌を探しています。
身近な野鳥も雪の上では良い被写体になってくれました。

こちらの作品は
「2013年日本の野鳥カレンダー」2月に掲載されています。

撮影地：北海道

昨夜からの大雨が、夜半をすぎて少しづつ晴れてきました。
今回の撮影旅行は天気に恵まれないなと思い始めた矢先で、
慌てて起き出して目的の沼へ向かいました。
予想通り明け方少し冷え込んだ気象は、太陽が昇る頃には霧が発生して
周りの雰囲気を幻想的に醸し出して、太陽はぼんやりと周りをオレンジ色に焼いています。
多数のマガンはいっせいにねぐらの沼から飛び出し、餌場の田んぼへ向かう情景を
夢中になって私はシャッターを押し続けました。

こちらの作品は
『2013年日本の野鳥風景カレンダー』1月に掲載されています。

撮影地：北海道

西の空に陽が落ちる頃、タンチョウの群れが
5羽から10羽と次々と塒へ向かって飛んでくる。
ゆっくりと流れる時間を野鳥たちと共有して感じる事は、
野鳥たちは太古の昔から自然の摂理として、
くり返しくり返し時を刻んできたのである。
しかし、私たち人間は時代とともに野生動物の棲む
自然環境を破壊しているのです。
そう感じるのは私だけなのだろうか・・・？！

こちらの作品は
2012年カレンダー『日本の野鳥風景』の12月に掲載されています。

撮影地：滋賀県

晩秋の頃、琵琶湖北部の山合いでは、
黄葉が始まっている。池の水面には、
秋の彩りが映り込んでとても美しい。
そこに冬鳥として渡ってきたオオヒシクイが
静かに泳いでいる。
晩秋の彩りと静寂感を表現してみた。

こちらの作品は
2012年カレンダー『日本の野鳥風景』の11月に掲載されています。

撮影地：鹿児島県

稲刈りの終わった畦には、ハヤブサがのんびりと
寛いでいる。一度飛びたったと思ったら、
しばらくしてまたやって来た。
よほどお気に入りの場所なのだろう。
私のことは視野に入っているはずなのに、
いつまでも羽繕いしたり伸びをしていた。

こちらの作品は
2012年カレンダー『日本の野鳥風景』の10月に掲載されています。

モズは百舌鳥と書きますが、多くの野鳥のものまねを
することで知られている。しかし、この清楚な秋草の上に
とまっているモズはなかなかの男前（♂）である。
その背景には、まだ稲刈り前の田んぼが広がっている。

こちらの作品は
2012年カレンダー『日本の野鳥風景』の9月に掲載されています。

撮影地：北海道

オホーツクの夏。
野付半島の浜辺には誰一人として人影はない。
潮の香りと昆布の匂いが入り混じった
雨上がりの砂浜・・・。
そんな静かな時間に、突然私の視界をさえぎるように
大きな影が横切った。
それは1羽のオジロワシで、小さな水溜りに
舞い降りて来た。
夏に見るオジロワシもやはり北海の王者の風格である。

こちらの作品は
2012年カレンダー『日本の野鳥風景』の8月に掲載されています。

撮影地：長崎県

五島列島は春と秋は野鳥たちの渡りの中継地点に
なっている。旅鳥たちは渡りの途中、羽を休め食をとり、
再び次への目的地へ飛び発って行く。
私は以前、カワセミは陸地の川や池などに棲む野鳥と
考えていた。しかし、このフジツボが付着している写真で
わかるように、このカワセミは、海辺をエサ場にしている
留鳥のようだ。

こちらの作品は
2012年カレンダー『日本の野鳥風景』の7月に掲載されています。

北海道も最近高温多雨な時期もある。
原生花園では、ノビタキやノゴマやホオアカ、
コヨシキリなどの野鳥たちが繁殖の時期を迎えて
盛んに鳴いている。この写真は、雨上がりに
ウドの花で囀っているシマセンニュウです。

こちらの作品は
2012年カレンダー『日本の野鳥風景』の6月に掲載されています。

撮影地：北海道

五月晴れ、北国の大地にも春がやって来た。
雲一つない青空にそよ吹くやさしい春風。
天空の青さにも負けないオオルリのブルーの
深みはとても印象的です。
おりしも、夏鳥の美しいオオルリがホオノキの
新芽い囲まれる様にして天に向かって
囀りだした。

こちらの作品は
2012年カレンダー『日本の野鳥風景』の5月に掲載されています。