撮影地：長野県　八千穂高原　1月

しんしんと雪降る中、残りわずかになったズミの実をついばむウソ。
ピンクのほおにズミの朱色が印象的で、まるで日本画の世界のような光景である。

こちらの作品は
Birdscape　～野鳥のいる風景～に掲載されています。

撮影地：兵庫県
私の住んでる農耕地では、毎年恒例のように秋になると猛禽類のノスリがやって来ます。
まだ下草が茂る頃は、昆虫のバッタやカマキリなど食べている事が多いです。
草木も枯れる季節になると見晴らしのよい木の上や上空からホバリング（停空飛翔）で、モグラやネズミなどの小動物を狙って襲いかかります。
猛禽類のオオタカやハイタカなども落葉樹の葉が枯れ落ちる頃になると、里山辺りの林縁部では比較的見られる事が多いです。
このカットは、枯れ葉が落ちる本格的な冬の到来の頃です。
青い空に薄い冬雲の中、ノスリが大空に輪をえがきながら気持ち良さそうに飛んでいるところです。

この作品は「2013年日本の野鳥風景カレンダー」 12月に掲載されています。

撮影地：兵庫県 

秋も本格的な季節になり里山の周辺では、稲刈りや芋掘り、
栗やみかんなど実りの収穫でいちばん楽しい時期です。
しかし、畦道の熟した柿の実は誰も収穫できません。
そう言えば、最近子供たちが柿の木によじ登って柿を食べてるところを見た事がありません。
私が子供の頃はあちこちでそんな光景を見たものですが、
最近は食べるものが豊富で困らないのか、
野外で遊ぶ子が少なくなってきたのでしょうか・・・
そんな思いに耽る頃、赤く熟した柿にチョウゲンボウが止まり、
モグラや小鳥などを捕えるのにやって来たのです。なんと運のよい事でしょう。

こちらの作品は
2013年『日本の野鳥風景』カレンダー11月に掲載されています。

撮影地：兵庫県

稲刈りの終わった田んぼには、水が入っているところがあります。
渡り途中のシギやチドリたちには、絶好の休息とエネルギー補給の場所です。
そこでミミズなど動物質の餌を食べて、しばらくして南の国へと飛んでいきます。
旅の途中に立ち寄った田んぼは、何の変わりもない普通の水溜りです。
そうした野鳥と人との関わりは普通に昔からあったのです

こちらの作品は
2013年『日本の野鳥風景カレンダー』10月に掲載されています。

撮影地：沖縄県

石垣島や西表島の代表的な猛禽類の野鳥は、カンムリワシだと思います。
緑濃い南国の日差しの中、意外と身近にいる鳥でした。
なんどか車で探し回ると、平地の田畑でも普通に見られました。
それでも日本では、石垣島など局地的にしか見られない
カンムリワシは、野鳥ファンにとって魅力的な野鳥に変わりありません。
目先と目の周りは黄色でトビより小さく、ノスリくらいの大きさです。

こちらの作品は
2013年『日本の野鳥風景カレンダー』9月に掲載されています。

以前から、この美しい麦畑を背景に、
野鳥の写真を撮りたいと思っていました。
その日は偶然にも大麦と小麦の畦道でキジのオスと出会った。
胸躍らせながら、そっと車で待ちかまえ撮影しました。
大きく口を開けて”縄張り宣言”をしている
感動の瞬間です。

撮影地：兵庫県

車が往来する橋のたもとには、シラサギたちの塒があります。
しかし、通り過ぎる人達はそんな世界には興味がないみたいです。
私は、夕方シラサギたちが帰巣してくる頃を見計らって、
橋の欄干にカメラを据えました。
予想通り夕闇が近づくにつれ、次々とシラサギたちが帰ってきます。
写真は引き算です。
まわりの不要な建物や背景を切り取ってきたカメラアイは、
何処か異国の地を連想する作品にしてくれました。

こちらの作品は
2013年『日本の野鳥風景カレンダー』8月に掲載されています。

撮影地：神奈川県

台風の影響で、先日の大時化から少しずつ天気も持ち直しています。
心配していた黄緑色のきれいなアオバトの群れも、徐々に岩礁に
飛来して海水を飲みにやって来ました。
アオバトは近くの小高い山から、数羽から十数羽の群れで交互にやって来ては、
窪みに溜まった海水のミネラルを給水しています。
岩礁に大きな波が激しく打ち付け白い飛沫が飛び散ります。
それでもアオバトはギリギリまで岩に張り付くようにして、そしてまたあわやの
ところで瞬時に飛び去っていきます。
そこまで命からがらやるアオバトのねらいは！？
どうやら主食とする木の実を消化できないので、海水で補っているらしいです。

こちらの作品は
2013年『日本の野鳥風景』カレンダー7月に掲載されています。

撮影地：北海道

梅雨の時期、道東の原生花園では野鳥たちの繁殖の真っ最中です。
紫色をしたカキツバタが群生している中、ひょこっと姿を見せたホオアカ1羽。
口にはヒナにやる虫を喰わえているようです。
どうやら近くには巣があるのでしょう。
雨にも負けず風にも負けず日差しの強さにも負けず、親鳥は子育てに余念がありません。
そんな野鳥たちを見ていると、自然環境の保全は大事だとつくづく思ってしまいます。

こちらの作品は
2013年『日本の野鳥風景』カレンダー6月に掲載されています。

思い思いにたくさんのヒナが餌を
捕りながら泳いでいる。
その後を、ゆっくりと見守りながら泳いでいる
親鳥の姿に家族団欒を垣間見た。

田植えの終わった水田には、
かわいいふわふわのヒナに
付き添うように親鳥がいる。 

朝露が若草に降りて、
朝日が小さな舞台演出をしている。
そんな中、ヨチヨチ歩きのヒナがいた。

撮影地：兵庫県

稲美町は、私のホームグラウンドであるが、
以前から名前を稲美町から麦美町と変えたいくらい、
美しい麦畑が至る所に広がっている。
麦秋の頃の彩りもきれいだが、天に向かって伸びゆく
青い麦の生命力も好きだ。
そこに子育てに余念のないスズメの親鳥が、
食欲旺盛なヒナたちに青い麦を運んでいた。

撮影地：兵庫県

コバルトブルーの青い鳥は、青いアイリングに青いくちばし、
そして長い尾羽でとても魅力的な鳥です。
それにしても、サンコウチョウの名前の由来が面白い。
「ツキ（月）、ヒ（日）、ホシ（星）ホイホイホイ」と鳴き声がくれば、
もうたまらない！
３つの光の三光鳥です。
オスの尾羽はとても長く、フワフワとした飛び方も優雅です。
毎年夏鳥として日本にやって来るこのサンコウチョウに会えるのが、
私の楽しみのひとつになっています。

こちらの作品は
2013年『日本の野鳥風景』カレンダー5月に掲載されています。

この時期は、苗もだいぶ育ち鳥を隠すため、
遠目では見つけにくい。
水田に身を潜める姿が、水面に映りこみ
印象的でした。

撮影地：石川県

珍鳥のオオカラモズが河北潟にいるらしい。
初めていく場所としては広すぎる。
しかし、それが野鳥カメラマンの真骨頂だろうか、
たまたま運がよかったのか、
田畑に1羽だけいたのだ。
寂しい冬枯れの感じを出したいと思った。

山間の川に、朝の光が差してきた。
川面に光が差してくると
色合いがきれいになり、
オシドリの色鮮やかさが際立ってきた。

人の気配を感じたのか、
列車の音に驚いたのか、
オシドリが水しぶきを上げて飛び立った。
幸い羽音としぶきが画面から伝わるような
動感のある作品ができた。

春爛漫、田植えが始まる前、レンゲ畑は一面に
ピンクの絨毯を敷きつめたようだ。
そんな中、主食のカエルなどを探しに
アマサギがやって来た。